「パブリックビューイング」は、文化・芸術に関わるシンポジウムや記者会見などを広く一般に公開するためのプログラムです。今回は、国際シンポジウム「Multi-Locale Pops in the 1960s 同時多発するポップ—1960年代を中心に」(主催:神戸大学国際文化学研究科、上智大学国際教養学部)を配信します。
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日時:2014年3月29日(土)13:00-17:30
http://www.ustream.tv/channel/comos-tv
※基調講演ならびに発表は、英語のみの配信となります。
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今日の近現代美術研究にみられる「グローバル」で「脱中心的」な傾向を受けて、ポップ・アートもまた、イギリスやアメリカといった局地的美術運動として論じるには収まりきらないテーマであることが明らかになってきている。事実、ロンドンやニューヨーク以外にも、ポップ・アートの作例はパリ、ロサンゼルス、プラハ、デュッセンドルフ、東京、ブエノスアイレスなど、多数の地域に見られる。そこでこの国際シンポジウムでは、各地の戦後美術の専門家を招いて、ポップ・アートの歴史的重要性をグローバルな見地から再検証する。米国のポップに刺激を受けて世界各地で発生したレディ・メイド仕様の作品を、「ポップ」という一般的な用語で論じることは妥当なのか。また、様々な来歴を持つポップの文化的・政治的な意義を、各地域に固有の大衆文化との関わりにおいて、どのように評価することができるのか。そして、こうした地域間の比較や考察を、どのようにアメリカのポップについての新たな理解へとつなげていくことができるのか。こうした観点から、このシンポジウムはポップ・アートに関する既存の言説に挑戦し、新たな批評的展望を切り開いて行くことを目指している。
(企画者:池上裕子、画像:Keiichi Tanaami, collagebook 44, 1971, courtesy of NANZUKA)
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プログラム
*PDFアイコンより各発表者のアブストラクトがご覧頂けます。
【基調講演】
トマス・クロウ(Thomas Crow, New York University)
“The Two Careers of James Rosenquist: Ad Man and Pop Artist”
(ジェームス・ローゼンクイストの二つのキャリア:広告マンとポップ・アーティスト)
応答:林道郎(Michio Hayashi, Sophia University)
【発表】
池上裕子(Hiroko Ikegami, Kobe University)
“Tokyo Pop: Embracing America, Contesting Empire”
(東京ポップ:アメリカを抱きしめ、帝国に異を唱える)
ダニエル・キレス(Daniel Quiles, École Normale Supérieure/School of Art Institute, Chicago)
“After Pop, We Dematerialize: Argentine Conceptualism”
(ポップの後は、脱物質化だ:アルゼンチン・コンセプチュアリズムについて)
アンドリュー・パーチャック(Andrew Perchuk, Getty Research Institute)
“Another Pop Art: East and West Coast Expertise”
(もう一つのポップ:東海岸と西海岸におけるポップ・アートの技術)
【ラウンド・テーブル・ディスカッション】
ディスカッサント:
講演者+加治屋健司(Kenji Kajiya, Hiroshima City University)、中嶋泉(Izumi Nakajima, Meiji Gakuin University)
モデレーター:林道郎(Michio Hayashi)
通訳:近藤學(Gaku Kondo, Independent Art Historian)
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<会場での参加について>
日時:2014年3月29日(土)13:00~17:30
会場:上智大学四谷キャンパス 中央図書館・総合研究等(L号館)L-921
*会場が「Bldg.10, room 301」から上記の場所に変更になっています。ご注意下さい。
詳細:http://www.fla.sophia.ac.jp/events-and-news/1940
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